これからの人へ

GIDの人にもいろいろな方がいらっしゃいます。一番大きいところでいえばどこまで治療を求めるかというところです。いっさいの治療を求めない人から、精神療法のみ、ホルモン療法まで、性別適合手術まで、戸籍変更までという人まで様々です。世間一般にはGIDの人は性別適合手術まで求めるという偏見がありますが、実際はホルモン療法にも性別適合手術にもデメリットが存在していて、そのデメリットをどこまで受け入れるかによって治療の程度に差が出ます。ただGIDの人全員に共通することは「性別に苦しんでいる」ということ。


逆を言えば「治療は怖いけど性別に違和感を感じ苦しんでいる方はGIDの可能性がある」ということです。


このサイトをご覧の方の中には、自分の性別に苦しんでいるけど、まだ何もアクションに移せていないという方もいらっしゃるかと思います。私自身も23才まで何もアクションを起こせませんでしたが実際アクションを起こしてみると世界がガラッと変わりました。正直アクションの一歩目はすごく恐かったです。メイクして外出すること、レディースのお洋服で外出すること、精神科の門をくぐること。どれも勇気が要りましたが今となっては初めの一歩をあのとき踏み出しておいてよかったなと思います。


メイクって毎日している女性でもナチュラルにやればあんまり気づかないようです。すべてカミングアウトした後に聞いた話ですけど、完全に気づいた人は1割未満というか1人、残り2割が疑う程度でした。とはいえ女の世界、あの人メイクしているような気がするという話は出回ったそうですけど、「男の人もメイクする時代だしね」って感じであんまり機にならなかったそうです。ただ厚化粧は厳禁ですよ。あと清潔感は大事です。



続いて服装ですけどこれは私実際失敗しました。やっぱり知り合いに見られるのは怖くて人目の少ない夜中に外出したのですが途中酔っぱらったお兄さんに「お姉さん、こんな時間にどこいくの?これから俺とどう?」って声かけられてすごい怖かったです。プロフィールに書いたとおり大柄ですしホルモンを摂取する前だから格闘になっても互角もしくは私の方が大きい分有利だったはずなのに怖い。男性として生活していると男性から性的な対象として狙われることはなかったのですが、女性になると…男性の女性を狙うハンターの目あれはほんと怖いです。何も言葉を発さず一目散に逃げましたもん。


やっぱり女性一人での夜歩きは危険です。皆さんも気を付けてください。


おすすめとしては車にのって多少人のいるところでまず女性の服装に慣れることです。まず車の中では服装なんて他の車からじゃあんまり見えませんし、見られて嫌な視線を感じたとしても車ならその人に見られるのも信号待ちの一瞬だけ。ましてや知らない人ですからね。って考えたら気持ちも楽になりません?そしてたまにコンビニによってみたり。トイレも男女兼用のところが多いですし、生活圏外のコンビニなら別にあんまり困らないでしょうし。だけど声を出したくない人は行くコンビニは選んだほうがいいかもしれません。「○ポイントカードはありますか?」など聞かれると最初は焦ると思うので。

周りからの視線とか気に出したら車に戻って違うところに行ってみましょう。



まずは人の目線に慣れるというのが女性として生きるための第一歩です。

そしてビビッていると目立ちます。堂々としているとむしろ目立ちません。特に身長の高い方は大きいことを気にして猫背になりがちですが背筋をピンと伸ばしてください。最近は身長の高い女性も多いので大丈夫です。ちなみに私も180cmです。堂々としていてまったく大丈夫です。たまに「スタイルいいわね」って話しかけてくるおばちゃんとかいますけど通りすがりの人ですからニコッてするだけでかわせます。ニコッ

あっ、もちろんホルモン療法をされてない方はメイク同様服装に気をつけてくださいね。男性特有のごつさをある程度隠せる服装の方が良いので必然的に着る枚数の多い冬場の方がパスしやすいです。コートとかあれば体系はごまかし放題です。

ちなみに夏場ではロングスカートがオススメです。足の骨格を完全に消せるので。